9月例会報告
日 時:9月22日(金) 19:00~21:00
会 場:波佐見西の原833スタジオ・Web
テーマ:波佐見焼とクラフトツーリズム
報告者:(株)高山 代表取締役 小林 善輝会員
出席者数:35名(会員25名(うちWeb4名)、ゲスト9名、事務局1名)
まずは、波佐見焼の歴史について説明があり、2001 年の産地偽装問題を皮切りに地域ブランドの動きとなり、波佐見焼とは何か?アイデンティティは何なのか?町一丸となって確立に向けて取り組まれました。
ブランド確立に向けてきっかけとなったのが東京ドームで開かれる「テーブルウエア・フェスティバル」です。焼き物の産地にはそれぞれ長
い歴史のなかで培われた伝統や文化、個性があり、波佐見焼は江戸時代から献上品等ではなく、一般向けの器をつくっていたため、世の中のニーズに合わせて柔軟に変化できる素地があり「ライフスタイルに合わせて柔軟に変化できる」ということが波佐見焼の強み、アイデンティティとなったそうです。
小林さんの信条は、一、堅実経営を第一とする事。一、肥前窯業の発展を図る事。一、正々堂々とガラス張り経営の事。です。これは、西海陶器(株)の経営方針でもあります。2021 年に社長に就任した(株)高山はパット印刷を得意とし上品で趣のあるデザインをつくり続けている波佐見焼名門の窯元です。このたび、後継者不在により波佐見焼商社の西海陶器(株)が事業承継を行われました。波佐見焼の長い歴史のなかで「商社× 窯元」という形は初めての試みであり、次世代の波佐見焼職人を育成する事業にも積極的に取り組まれています。
これからのビジョンとして、「クラフトツーリズム」を掲げています。「クラフトツーリズム」とは、やきものづくりの技術、文化、生活空間を観光資源として、宿泊施設・食の充実、工場見学、やきもの体験を充実させ、歴史や生産文化に直接触れていただき、波佐見焼のファンを増やし、それを新しい生業、サービスとして経済効果に波及させていく考えです。今こそ、産業、地域、行政が一体となって、「クラフトツーリズム」を新しい経済活動として定着させ、町内の交流人口の拡大を図り、波佐見の良さをより多くの皆様に体感して欲しいと結ばれました。今後の展開が楽しみな報告でした。
(文責 横山 昌隆)