9月例会報告

日時:9 月17 日(金)19:00 ~ 21:00
会場:Web
テーマ:創業72 年、3代目!~社長になってのこれから~
報告者:(有)片桐計量器店 代表取締役 片桐 孝章 会員
出席者数:45名(会員36名、他支部8名、事務局1名)

今回は支部経営労働委員会が主催。佐世保支部長の片桐孝章さんによる事業承継を軸とした報告でした。片桐さんは、9 月1 日より創業72 年の3 代目として代表取締役に就任されたばかりのタイミングでした。

<事業承継>
現在の中小企業を取り巻く諸問題の中で、事業承継は大きなトピックとなっています。近年は、中小企業の廃業数が増加傾向にあります。日本政策金融公庫が2016 年2 月に行なった、中小企業事業者380 万者を対象とした調査では、その半分が廃業予定(うち7 割が個人事業主、3 割が法人)であり、「事業承継が決まっている」と回答した事業者は12.4%に過ぎませんでした。

企業は「ゴーイングコンサーン」と言われ、寿命の概念がありません。一方で、その企業にポートフォリオされる事業には当然寿命があります。よって、ゴーイングコンサーンの実現のために事業承継をしていく者を企業家と呼び、その事業に惚れ込み、それに一代を捧げる者を事業家と呼んでよいのかもしれません。ただし、企業家の人生も事業家の人生も、選ぶのは個人の自由です。どちらも社会の公器として尊いものです。そして、どちらにも事業承継は存在します。事業家でも、事業の寿命が自分の人生より長ければ、その事業をM&A させたり、所有と経営を分離する手段を取ったりすることで、自分が生んだ事業の寿命を全うさせることが可能です。

片桐計量器店では、歴代、家庭内で企業家精神が受け継がれていました。片桐さんは小学校4 年生にして先代である父から後継者の命を受け、自らも社長となった今月まで後継者としての道を開拓していきました。

<経営指針>
幼い片桐少年に後継者の自覚をさせた片桐家は、家庭の中に企業がありました。片桐計量器店には現在でも成文化された経営理念は存在しません。しかし、片桐さん入社以来20 年以上一度も赤字を出さず、その期間にグループ企業2 社を設立できた安定成長経営の背景には、自社企業を大きく包括した道徳心溢れる片桐家の生き方の伝承がありました。

しかし、今後は家族以外の社員と共に100 年企業を指すこととなる片桐さん。片桐家の暗黙知だけでは経営が困難な時代となりました。暗黙知を形式知とし、その形式知をまた家族以外の社員と共に暗黙知とする取り組みが必要です。

そこで、佐世保支部長でもある今年度、3 代目は、片桐計量器店として創業初となる経営指針の成文化に取り組む決心を固めました。11 月に開催される支部経営指針策定セミナーを受講し、12 月の忘年例会にて、会員を前にした第1 回経営計画発表会を開催します。12 月はぜひ佐世保支部例会へ!そして、事業承継を考える会員さんは、片桐さんとともにぜひ経営指針策定セミナーへ!

報告の締めくくりに、片桐さんは4 代目への承継計画も発表。先代が動かない限り、後継者が生まれることはありません。片桐計量器店、ファミリービジネスの盛運は続きます。

文責 橋口 久